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VUCA時代の羅針盤!セルフアウェアネスが導く新しいリーダーシップ

時代・世代の変化に伴いあり方を変えるリーダーシップ

現代社会は、AIの進化やグローバル化など、目まぐるしい変化を遂げています。このようなVUCAと呼ばれる volatile(変動性)、uncertain(不確実性)、complex(複雑性)、ambiguous(曖昧性)な時代において、企業は従来のトップダウン型のリーダーシップから、多様な意見を尊重し、組織全体で目標達成を目指す「シェアド・リーダーシップ」へとシフトしつつあります。

本記事では変遷するリーダーシップの在り方と変化の激しいビジネス環境で生産性の高い組織を構築していく本質的なスキルについて詳しく解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.時代・世代の変化に伴いあり方を変えるリーダーシップ
  2. 2.トップダウン型リーダーシップの限界:多様化する時代における新たな課題
  3. 3.シェアド・リーダーシップとは?組織を活性化させる新たなリーダーシップスタイル
    1. 3.1.トップダウンからフラットへ / 時代の変化とリーダーシップ
    2. 3.2.シェアド・リーダーシップの特徴とメリット
    3. 3.3.シェアド・リーダーシップを実現するためのポイント
    4. 3.4.シェアド・リーダーシップがもたらす効果
  4. 4.シェアド・リーダーシップの実践における必須スキル セルフアウェアネス
    1. 4.1.セルフアウェアネスがもたらすシェアド・リーダーシップへの影響
    2. 4.2.現代ビジネスパーソンがセルフアウェアネスを高めるための2つのステップ
      1. 4.2.1.1.自分の過去・現在までの棚卸し(リソース分析)と可視化
      2. 4.2.2.2.1で書き出した自己の価値観と今の仕事・ミッションを掛け合わせてそれぞれ、自分なりの意味意義を、言語化・可視化する
  5. 5.まとめシェアド・リーダーシップで組織を活性化しよう!


トップダウン型リーダーシップの限界:多様化する時代における新たな課題

従来のトップダウン型リーダーシップは、組織を効率的に運営する上で長らく有効な手段とされてきました。しかし、現代社会がますます複雑化し、変化のスピードが加速する中で、その限界が顕在化しつつあります。

▽変化に迅速に対応できない(柔軟性の欠如)

トップダウン型リーダーシップでは、意思決定の権限が上位層に集中しているため、現場の状況や市場の変化に迅速に対応することが困難です。新しい情報やアイデアが上層部に伝わるまでに時間がかかり、その間に状況が変化してしまうケースも少なくありません。

▽多様な意見が活かされない(イノベーションの抑制 )

トップダウン型では、組織全体の創造性が阻害されがちです。現場で働く従業員が持つ多様な意見やアイデアが、十分に活かされる機会が少ないため、革新的なアイデアが生まれにくく、組織全体の成長を妨げる要因となります。

▽主体性が失われる(従業員のモチベーション低下 )

意思決定に携わることができない従業員は、仕事に対するモチベーションやエンゲージメントが低下しがちです。自分の意見やアイデアが尊重されないと感じると、主体性を失い、組織への帰属意識も薄れてしまいます。

▽判断ミスが組織全体に影響(リスクの集中)

重要な意思決定が一部のリーダーに集中することで、その判断ミスが組織全体に大きな影響を与えるリスクが高まります。特に、変化の激しい時代においては、リーダーの判断ミスが命取りになる可能性も否定できません。

トップダウン型リーダーシップは、組織を効率的に運営する上で一定の役割を果たしてきたことは事実です。しかし、現代社会がますます複雑化し、変化のスピードが加速する中で、その限界が明らかになってきました。
柔軟性、イノベーション、従業員のモチベーション、リスク管理など、現代の組織が抱える様々な課題に対して、トップダウン型リーダーシップだけでは十分に対応できないということがわかります。
では、現代の組織が求めるのはどのようなリーダーシップなのでしょうか?
次の記事では、トップダウン型リーダーシップの課題を克服し、現代の組織が求める新たなリーダーシップについてご紹介します。


シェアド・リーダーシップとは?組織を活性化させる新たなリーダーシップスタイル

トップダウンからフラットへ / 時代の変化とリーダーシップ

シェアド・リーダーシップとは、組織内のすべてのメンバーがリーダーシップを発揮し、組織全体の目標達成に向けて共に貢献していくという考え方です。リーダーシップが特定の個人に集中するのではなく、組織全体に分散されることで、より柔軟かつ迅速な意思決定が可能になります。

シェアド・リーダーシップの特徴とメリット

シェアド・リーダーシップには、以下の特徴とメリットがあります。

全員参加型

組織内のすべてのメンバーが、自分の役割を理解し、主体的に行動します。

柔軟性

状況の変化に迅速に対応できるため、イノベーションを促進します。

多様性の尊重

多様な意見やアイデアを取り入れることで、より創造的な解決策を生み出します。

従業員のエンゲージメント向上

従業員が組織の目標達成に貢献できる実感を得ることで、モチベーションが向上し、離職率が低下します。

リスク分散

リーダーシップが分散されることで、特定の個人の判断ミスによるリスクを軽減できます。

シェアド・リーダーシップを実現するためのポイント

シェアド・リーダーシップを効果的に導入するためには、以下のポイントが重要です。

共通のビジョンと目標設定

組織全体で共有できるビジョンと目標を設定し、メンバー全員がその達成に向けて取り組む姿勢を醸成します。

信頼関係の構築

組織内のメンバー同士が互いを信頼し、オープンにコミュニケーションを取れる環境を構築します。

自律性の尊重

各メンバーが自分の役割を理解し、自律的に行動できるよう、権限委譲を積極的に行います。

リーダーシップスキルの育成

全員がリーダーシップを発揮できるよう、必要なスキルを育成するための研修プログラムなどを実施します。

失敗を恐れずに挑戦できる文化醸成

失敗を恐れずに新しいことに挑戦できるような、心理的安全性を確保します。

シェアド・リーダーシップがもたらす効果

多様性とイノベーションの促進

様々なバックグラウンドを持つメンバーがリーダーシップを発揮することで、多様な視点が生まれ、組織学習が加速します。例えば、Googleの20%ルールは、従業員が自分のアイデアを自由に追求できる時間とリソースを提供し、数々の革新的な製品を生み出しました。

従業員のエンゲージメント向上

各メンバーがリーダーシップを発揮する機会を得ることで、仕事に対するモチベーションやエンゲージメントが向上します。また、自律性と責任感が高まり、組織への帰属意識も強まります。

組織全体の成長

組織全体の学習能力が向上し、変化に迅速に対応できるようになります。また、フラットな組織文化が醸成され、活力が生まれます。

シェアド・リーダーシップの実践における必須スキル セルフアウェアネス

セルフアウェアネス(自己認識)とは、自分自身の感情、思考、行動、およびその背景にある価値観や信念を理解し、認識する能力です。これにより、自分の強みや弱み、ストレスや感情のトリガー、他人との関係性などを深く理解することができます。セルフアウェアネスは、自己改善や成長、効果的なコミュニケーション、リーダーシップなどにおいて重要な役割を果たします。これを高めることで、より良い意思決定や行動の選択が可能となり、個人としても職業人としても成長することができます。

セルフアウェアネスがもたらすシェアド・リーダーシップへの影響

チームコラボレーションの効率性の向上

・自分の強みと弱みを理解することで、チーム内で最適な役割を担うことができ、チーム全体の効率が向上します。
・相手の強みを生かし、弱みを補うような協力体制を築くことができます。
・自分の感情をコントロールできるため、衝突を避け、建設的な議論を促すことができます。

高まる自己肯定感とモチベーション

・自分の価値観や目標を明確にすることで、自己肯定感が高まり、仕事に対するモチベーションが向上します。
・困難な状況でも、自分の強みに基づいて解決策を見出すことができるようになります。

変化への適応力向上

・自分の価値観や行動パターンを客観的に捉えることで、変化に対して柔軟に対応できるようになります。
・新しいアイデアや意見を受け入れることができ、組織全体のイノベーションを促進します。

信頼関係構築力の向上

・自分の感情や考えを率直に表現できるため、周囲からの信頼を得やすくなります。
・相手の意見に耳を傾け、共感することで、より深い人間関係を築くことができます。


現代ビジネスパーソンがセルフアウェアネスを高めるための2つのステップ

現代社会において、ビジネスパーソンに求められるのは、単なる業務遂行能力だけでなく、自己理解に基づいた主体的な働き方です。セルフアウェアネス(自己認識)は、そんな時代に不可欠な能力の一つと言えるでしょう。
セルフアウェアネスを高めることで、私たちは自分の強みや弱みを理解し、仕事に対するモチベーションを高め、より充実したキャリアを築くことができます。また、組織においては、多様な人々と協力し、より良い成果を上げるために、セルフアウェアネスは不可欠な要素となります。
この記事では、セルフアウェアネスを高めるための具体的な2つのステップについて解説します。

1.自分の過去・現在までの棚卸し(リソース分析)と可視化

まず、自分自身の棚卸しを行いましょう。これは、まるで自分の引き出しを開けて、何がどこにあるのかを整理するような作業です。

▽棚卸しの対象

スキル

これまで培ってきたスキルや経験

知識

専門知識や一般的な教養

人脈

ビジネスやプライベートで繋がっている人々

所持物

仕事に役立つツールや情報

価値観

何を大切にするか

考え方

価値観、信念、志、哲学


▽棚卸しの方法

書き出す

ノートやスプレッドシートに、思いつくまま書き出してみましょう。

可視化する

マインドマップやグラフなどを使って、視覚的に整理すると

より深く理解できます。

客観的な視点

周りの人からフィードバックをもらうことも効果的です。

▽棚卸しのメリット

自己理解を深める

自分の強みや弱み、興味関心、価値観などを客観的に把握できます。

目標設定

自分の強みを活かし、弱みを克服するための目標設定が可能です。

キャリアデザイン

将来のキャリアパスを明確にすることができます。

2.1で書き出した自己の価値観と今の仕事・ミッションを掛け合わせてそれぞれ、自分なりの意味意義を、言語化・可視化する

次に、1で棚卸しした自分の価値観と、現在の仕事やミッションを結びつけ、それぞれの意味や意義を深く考えてみましょう。

▽価値観と仕事の掛け合わせ

共通点を探す

自分の価値観と、現在の仕事で大切にしている価値観の共通点を

探します。

ギャップを埋める

価値観と仕事にギャップがある場合は、その理由を考え、

どうすれば両者を近づけられるのかを検討します。

新たな視点

自分の価値観の視点から、仕事を見つめ直すことで、

新たな発見があるかもしれません。

▽言語化・可視化


言葉で表現

自分の価値観と仕事の関係性を、具体的に言葉で表現してみましょう。

ビジュアル化

表・マインドマップなどを活用し視覚的に表現することも効果的です。

ミッションとの紐づけ

ミッションの再定義

自分の価値観に基づいて、ミッションを再定義してみましょう。

行動指針

再定義したミッションに基づいて、具体的な行動指針を立てます。

これらのプロセスを経ることで、自分の価値観や信念、志が言語化・可視化され、ビジネスパーソンとしての自己認識が格段に向上します。その結果、仕事への満足度の向上やより大きな目的意識に気づくことによるモチベーション向上や自分の価値観に基づいたキャリアデザインが可能になります。

また、セルフアウェアネスの向上は単に自分自身を深く理解することだけでなく、自分自身の理解を深めるプロセスで多様性の必然性に気づき、それが他者への深い理解、すなわち共感力へと繋がり、シェアド・リーダーシップの礎となります。
その結果、多様な価値観を持つ人々との共創を効果的に促すリーダーシップを発揮し、より良い組織文化を醸成することで、より充実したキャリアを築くことにも繋がるのです。

まとめシェアド・リーダーシップで組織を活性化しよう!

シェアド・リーダーシップとは、リーダーシップが組織全体に分散され、多様な視点から問題解決やイノベーションを推進していく考え方です。従来のトップダウン型のリーダーシップからシフトし、現代のVUCA時代において、組織の成長や従業員のエンゲージメント向上に不可欠な要素となっています。
シェアド・リーダーシップがもたらす効果としては、多様性とイノベーションの促進、従業員のエンゲージメント向上、組織全体の成長などが挙げられます。しかし、責任の所在の曖昧化、意思決定の遅延、組織文化とのギャップ、リーダーシップスキルの不足といった課題も存在します。
これらの課題を克服し、シェアド・リーダーシップを成功させるためには、役割の明確化、意思決定プロセスの簡素化、組織文化の変革、リーダーシップ開発プログラムの実施などの対策が必要です。
こういった組織変革を起こしていくうえで最も重要なのは、従業員個々のセルフアウェアネス(自己認識)の育成です。セルフアウェアネスを高めることで、自分の強みや弱みを理解し、チーム内で最適な役割を担うことができ、より効果的なチームコラボレーションが可能となります。また、自己肯定感が高まり、仕事に対するモチベーションも向上します。
セルフアウェアネスを高めるための具体的な方法としては、下記の2ステップです。


1.自分の過去・現在までの棚卸し(リソース分析)と可視化


2.1で書き出した自己の価値観と今の仕事・ミッションを掛け合わせてそれぞれ、自分なりの意味意義を、言語化・可視化する

上記ステップを踏むことで、自分自身の強みや弱みを理解し、仕事に対するモチベーションを高め、多様な価値観を持つ人々との共創を促し、より良い組織文化を醸成することで、より充実したキャリアデザインを描くことができるでしょう。

シェアド・リーダーシップ時代の必須スキルは、セルフアウェアネスです。セルフアウェアネスを高めることで、個人の成長のみならず、組織全体の活性化にもつながっていくのです。


当社ではビジネスパーソンとしてリーダーシップ、指導力、コミュニケーション力の強化につながるセルフアウェアネス研修も承っております。下記資料もご参考に頂けますと幸いです。




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