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3.関係性を高めるにはまず自己理解から ~セルフアウェアネス~

前回に引き続き、新入社員の定着率を向上させていくために重要なポイントの解説を続けていきたいと思います。
前回お伝えしたのはクルト・レヴィンの法則にのっとって、環境を整えることの重要性をお伝えし、さらに環境=組織・部署を整えていくには成功循環モデルの『関係の質』から高めていくことの重要性をお伝えしました。
今回お伝えしていく内容は、『関係の質』の高め方についてのポイントを解説致します。

新入社員の定着のみならず、組織として成果を持続的に高めていくためのアプローチにもなりますので、ぜひ、最後まで読んで新入社員のオンボーディング、組織力の向上の参考のヒントにしてもらえたらと思います!

■ 本記事のターゲット
新入社員の定着率向上に悩む人事担当者
新入社員の育成プログラムをより効果的にしたいと考えている企業経営者
新入社員の受け入れに悩んでいる現場担当者

■ 本記事の目的
単なる知識の羅列ではなく、実践的なオンボーディング施策をわかりやすく紹介
最新の理論に基づき、新入社員の定着率向上に効果的な方法を提案
新入社員と組織双方の成長を促進するオンボーディングの重要性を再認識

■ 本記事で学べること
1.新入社員のオンボーディングについて知っておくべき3つのポイント 
 2.新入社員の定着・活躍は組織の関係性から始まる!ダニエル・キムの成功循環モデル

 3. 関係性を高めるにはまず自己理解から セルフアウェアネス

↑本記事はコチラについてのみお伝えする内容です。

 4. 新入社員の早期適応を促すコミュニケーションの極意 

目次[非表示]

  1. 1.関係性を高めるにはまず自己理解から ~セルフアウェアネス~
  2. 2.セルフアウェアネス(自己理解)とは?
    1. 2.1.内面的自己理解と外面的自己理解
    2. 2.2.セルフアウェアネス向上のメリット
  3. 3.組織内での相互理解
    1. 3.1.ジョハリの窓と自己開示の重要性
    2. 3.2.セルフアウェアネス(自己理解)と自己開示の関係
      1. 3.2.1.1.セルアウェアネス(自己理解)の深化がもたらす自己開示の質の向上
      2. 3.2.2.2.自己理解の深化がもたらす自己開示の量の向上
  4. 4.まとめ

関係性を高めるにはまず自己理解から ~セルフアウェアネス~

本記事では、セルフアウェアネス(自己理解)の重要性を掘り下げ、自己理解が組織内の関係性をどのように高めるかを解説します。また、ジョハリの窓を通じた自己開示の重要性について触れ、自己理解から相互理解につなげていく方法についても詳しく説明します。

セルフアウェアネス(自己理解)とは?

近年、セルフアウェアネス(自己理解)という言葉が注目されています。これは、自分自身の感情、思考、行動、価値観などを深く理解することを意味します。
セルフアウェアネスが高い人は、自分の強みや弱みを把握し、状況に応じて適切な行動をとることができます。また、自分自身のことを客観的に捉えることができるため、周囲の人とのコミュニケーションも円滑になります。

内面的自己理解と外面的自己理解

セルフアウェアネスには、内面的自己理解と外面的自己理解の2種類があります。
内面的自己理解とは、自分の価値観、信念、感情、思考パターンなどを理解することです。
外面的自己理解とは、自分が他人からどのように見られているかを理解することです。


セルフアウェアネス向上のメリット

セルフアウェアネスが向上すると、以下のようなメリットがあります。
・コミュニケーション能力の向上
・意思決定能力の向上
・リーダーシップの向上
・レジリエンス(ストレスへの対処能力)の向上
・ワークライフバランスの向上


組織内での相互理解

セルフアウェアネスが高い『認識者』は、自分自身のことを客観的に捉えることができるため、周囲の人とのコミュニケーションも円滑になります。
このように自分を正しく理解することで組織内での自己開示も適切に行うことが出来るようになります。


ジョハリの窓と自己開示の重要性

ここでセルフアウェアネス(自己理解)がいかに相互理解の質を高めるかについて解説します。

この理解を助けてくれるのが、ジョハリの窓というフレームワークです。

上図のようにジョハリの窓は4つの領域(開放の窓、気づかない窓、隠された窓、未知の窓)から成り立っています。

Ⅰ.開放の窓:自分も他者も知っている自分の側面。例えば、自分がチームでリーダーシップを発揮することが得意であることを自分も他者も認識している場合。

Ⅱ.気づかない窓:他者は知っているが自分は知らない自分の側面。例えば、自分が会議中に無意識に他者の意見を遮ってしまう癖がある場合。

Ⅲ.隠された窓:自分は知っているが他者は知らない自分の側面。例えば、自分が失敗を恐れていることを他者に話していない場合。

Ⅳ.未知の窓:自分も他者も知らない自分の側面。新しい挑戦を通じて初めて気づくことが多いです。

 自己理解を深めることで、ジョハリの窓における「開放の窓」が下図のように広がり、相互理解が促進されるベースが出来上がります。そのベースを構築したうえで、重要になってくるのが『自己開示』と『フィードバック』です。

※『フィードバック』については次回の記事で詳しくお伝えします。

セルフアウェアネス(自己理解)と自己開示の関係

セルフアウェアネス(自己理解)と自己開示は、密接に関係する二つの概念です。自己理解が深まると、自己開示の質と量が高まることが示唆されています。

1.セルアウェアネス(自己理解)の深化がもたらす自己開示の質の向上

感情や考えの正確な伝達

自己理解が深まると、自分の感情や考えのニュアンスをより正確に把握できるようになります。その結果、他者に対して自分の状態をより具体的に伝えることができ、誤解が生じにくくなります。例:単に「イライラしている」と伝えるのではなく、「締め切りが迫っていてプレッシャーを感じている」と具体的に伝えることで、相手は状況を理解し、適切なサポートを提供しやすくなります。

内省と客観視

 自己理解が深まると、自分の考えや行動を客観的に分析できるようになります。その結果、自身の強みや弱みを把握し、より効果的な自己開示が可能になります。

例:自分の強みである「論理的思考力」を活かして、プロジェクトの課題を分析し、解決策を提案することで、チームに貢献することができます。

適切なタイミングと方法の選択

自己理解が深まると、状況に応じて適切な自己開示のタイミングや方法を選択できるようになります。
例:プライベートな悩みは親しい友人に相談し、仕事の課題は上司に相談するなど、相手との関係性や状況に合わせて適切な自己開示を行うことができます。

2.自己理解の深化がもたらす自己開示の量の向上

自己肯定感の向上

自己理解が深まると、自分の価値観や能力をより客観的に評価できるようになります。その結果、自己肯定感が高まり、積極的に自己開示を行うようになります。
例:自分の強みを活かせる場面では、積極的に意見を述べたり、提案を行ったりすることで、周囲から評価される機会が増えます。

信頼関係の構築

 自己開示を行うことで、相手との信頼関係を築くことができます。信頼関係が築けると、より深い自己開示が可能になり、互いの理解が深まります。
例:チームメンバーと自分の考えや経験を積極的に共有することで、チームワークが向上し、より良い成果を生み出すことができます。

自己成長の促進

 自己開示を行うことで、自分自身を客観的に見つめ直し、新たな発見を得ることができます。その結果、自己成長を促進することができます。
例:自分の弱みや課題を認識することで、それを克服するための具体的な行動を起こすことができます。

まとめ

新入社員の定着率を向上させるためには、関係性の質を高めることが重要です。関係性の質を高めるためには、まず自分自身を理解することが大切です。


セルフアウェアネス(自己理解)とは、自分自身の感情、思考、行動、価値観などを深く理解することを意味します。セルフアウェアネスが高い人は、自分の強みや弱みを把握し、状況に応じて適切な行動をとることができます。また、自分自身のことを客観的に捉えることができるため、周囲の人とのコミュニケーションも円滑になります。

ジョハリの窓というフレームワークを使うことで、自己理解を深め、相互理解を促進することができます。ジョハリの窓は、自分と他者がお互いに認識している自分の側面を4つの領域(開放の窓、気づかない窓、隠された窓、未知の窓)に分類したものです。

自己開示とは、自分自身の情報を他者に伝えることです。自己開示を行うことで、相手との信頼関係を築き、相互理解を深めることができます。また、自己開示を行うことで、自分自身を客観的に見つめ直し、新たな発見を得ることができます。

セルフアウェアネスを高め、自己開示を行うことで、組織内の関係性の質を高め、新入社員の定着率を向上させることができます。

次回は、新入社員とのコミュニケーションを成功に導くポイントについて解説します。



セルフアウェアネスの向上はVUCA時代においてその価値がますます高まっています。

今注目を集めているシェアド・リーダーシップの根幹ともいえ、従業員エンゲージメントの向上にも関連してくるキーワードです。

詳細につきましては、セルフアウェアネス研修資料に記載しておりますので、ご興味・ご関心をお持ちの方は下記よりご確認ください。

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